[ 特 別 ]

求めているものが見えなくなった
欲しがって欲しがって
手に入れたのはぜんぶ
必要の無いものばかり

ありきたりな虚無感
適当に口に出せば
誰かは「僕も」と隣に座る
特別でもなんでもない
その他大勢の中に紛れてしまう
小さなズレ

ひとつひとつ並べることが大事なんじゃない
並べられたものが
全体の何割なのかが大事なだけ

真っ赤な花畑に咲いてしまった青い花は
不自然で不釣合いで
目に焼きついて

これはきっと憧憬なんて綺麗なものじゃない

現状に甘んじる心が何もできないまま
みっともなく手を伸ばしていた


( 2008.06.20 Friday )