[ オ ー ル ド ロ ー ズ ]
古びた木の枠、真四角の青空、時を刻む針の音
春にはあまやかな花の匂い
夏には激しく地を叩く雨の気配
秋には視界を舞う朱の葉
冬には弾ける暖炉の火
それが 世界のすべてだった
鍵を失くしたのは鳥籠の主
安寧を手放したのは美しい青い鳥
どちらも
どちらが
哀しかったのだろう
鳥籠に添えられるオールドローズ
漆黒に移りゆく空の彼方
一羽の鳥が奏でた唄は
幸せを言祝ぐものであっただろうか
答えは永久に 返りはしない
( 2008.04.18 Friday )