[ 春 宵 の ゆ め ]

舞い落ちるものがあった
さらりさらり風に揺られて くすんだ藍鼠色の水面に揺蕩う

その静かな旅立ちに
陽は熔けるほどに柔らかい東雲色の光を灯し、
鳥はささやかにしたたかな生を謳い、
闇は揺るぎなき終焉を啼く

ゆらりゆらり
だれ一人知らぬ旅の道
鴇色の夢が眠りの淵に身を包む


( 2008.04.05 Saturday )