[ 崩 壊 ]
何もかも馬鹿馬鹿しいのだと
歪めた顔は果たして君に見えていただろうか
霞む視界には捉えられなかっただろうか
最期に君が手渡してきた願いや祈りは
僕には重すぎた もう、とうに
そんなあたたかく緩やかなものを
受け取れる僕では なかった
ぐらりと形を失くしていくのは
僕だろうか君だろうか
否
残されるのは、時という概念すらない
平坦で滑らかで
つめたくおだやかな、見知らぬ原野、だけ
( 2008.01.11 Friday )